CREDO LETTER クレドレター

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  • 2019-05-08

    「イジメ」から学ぶクレド浸透法

    元・一橋大学の山岸教授が提唱した「臨界質量の法則」。

    クレドや企業理念の推進が上手く行かない、という時に知っておくべき考え方として役に立ちます。

    もともと山岸氏は社会心理学者として教育問題などに携わりました。氏の課題意識として「学校のいじめ問題。あるクラスはイジメが顕著、しかし隣のクラスはそうでもない。同じ学校なのにその違いはどこから来るのか?」

    といった出発点があります。ここでは奥深い説明は省きますが「2:6:2」という考え方は皆さんご存じですね。

    例えば、クラスの構成は一般的に最初の「2」がイジメっ子。「6」は傍観者。最後の「2」は正義漢です。

    イジメの兆候があると、担任の先生は当事者であるイジメっ子に対して「指導」をします。しかしなかなか改善はせず、結果的にイジメっ子の“声の大きさ”に他の生徒も飲み込まれ、反論もせず、同調し「イジメのクラス」になっていきます。

    さて、ここでは先生はどうするべきだったのでしょうか?

    簡単に言うと「6」の「傍観者」である人たちに対しての指示や動機付けが必要でした。彼らの態度や行動が「正義漢」に変わることで全体の雰囲気が「イジメ」にならずに済むのです。

    この考え方をクレドの浸透にも応用します。私たち推進リーダーが考えるべきは、前向きではない社員たちを見て「なぜ浸透しないのだろうか?」と考えるのではなく、「どちらでもない、一見すると普通にコミットしていそうな大部分の社員」に対して働きかけることなのです。

    そうすることで “クレドは大事だよね”という全体の雰囲気を醸成することができます。

    「臨界質量の法則」からの学びです。

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